『くらし便り』読んで暮らしが開かれる

Column Vol.02「光」が住まいを変える!?
~間違えない照明選びのヒント~

私たちの生活に不可欠ともいえる「照明」。
現代の住空間には多種多様な照明器具が使われていますが、それぞれの器具には光の特長や最適な使用場所があります。
照明の基礎知識を知っておくだけで、住まいの快適性がグッとアップするかもしれません。

さまざまな照明の種類

Lighting equipment

一般的に住宅でよく使われている照明をご紹介します。
それぞれに適した使用場所がありますので、ご自宅での使われ方を
チェックしてみてください。

シーリングライト

天井につけて部屋全体を明るく照らすシーリングライト。空間を広く見せる効果もあります。天井に引っ掛け用のシーリングが付いていれば手軽に交換もできます。ご家族が一日の多くを過ごすリビングに最適です。

ペンダントライト

天井から吊り下げて周囲を明るくするのがペンダントライト。高めに設置すれば全体を明るく、低めに設置すればスポットライトのように手元を明るくすることができます。
長さ調整可能なものが多くダクトレールを設置すれば複数づかいもできます。ダイニングなどに使用すると食事が楽しくなりそうです。

シャンデリア

天井からコードやチェーンを使って吊り下げる多灯型の照明です。
デザインが豊富で、照明としての効果に加えて華やかさを演出したい時に最適です。リビングや玄関ホールなどに使用すると印象が激変します。

ダウンライト

天井に埋め込むタイプの照明で、空間をすっきり見せることができます。基本的には必要な部分だけを照らす照明なのでウォークインクローゼットや書斎などの狭い空間に適しています。複数を設置することで広い空間に活用することもできます。

スポットライト

天井や壁に取り付けて、絵や額縁などの対象物を強い光で照らします。向きを変えられるものも多いため、ダクトレールを活用してリビングなどの装飾品を効果的に見せることもできます。個数などを検討すれば活用できる場所はたくさんあります。

さまざまな光の種類

Lighting color

照明器具を考えるのと同時に、蛍光灯の光にもいくつかの種類と特長があります。
光を変えるだけでその空間で過ごす際の気分も大きく変わります。

電球色でんきゅうしょく

オレンジっぽく暖かみのある光で、空間が落ち着いた雰囲気になるのでリラックスしたい場所に効果的。寝室やトイレ、間接照明としても使えます。また、暖色は料理をおいしく見せる効果もあるので食事をする空間にも適しています。

昼白色ちゅうはくしょく

太陽の明るさに最も近い自然な色あいの光。どんな部屋にもマッチしますが、インテリアなども明るく見せてくれるのでリビングにも適しています。洋服を選んだり化粧をしたりする部屋に使うと、外に出た時とのイメージの相違も防げます。

昼光色ちゅうこうしょく

青みがかった涼し気な白い光です。明るさの度合いが大変強く、オフィスなどにもよく使われます。脳を覚醒させる効果もあるので集中力を高めたい場所、子供部屋やキッチン、ワークスペースにおすすめです。

Staff Interviewスタッフインタビュー

光が創り出す癒し空間。
照明ひとつで快適性もデザイン性
もアップ!

照明は新築時にだけ設置できるものばかりではありません。
気分の変化や家族の成長にともなって変えていける楽しさもあります。
家づくりに欠かせない照明選びについてインテリアコーディネーターに話を聞きました。
スタッフ写真

Interview

ジェイウッド インテリアコーディネーター

Q

海外の住宅の照明はとても素敵ですよね?
日本との違いは?

映画や海外ドラマを見ても、海外のお部屋はとても素敵ですね。その大きな違いが照明だと思います。特に欧米は白熱電球を使用することが多く、部屋全体を照らすのではなく、必要な箇所だけ照らしたり壁に光を当てて明るさを緩和させる間接照明が多く使われています。これは欧米人の瞳のせいだと言われています。ブルーやブラウンアイは白色の強い光が苦手とされていて薄暗い明るさを好むようです。

また、ライフスタイルも大きく影響しています。家族との団らんをとても大切にするのでリビングなど家族が集まる場所を一番明るく、子供部屋や仕事部屋は最低限の明るさを確保して、陽が落ちてくる時間帯には自然とリビングに家族が集まるようになっているそうです。デザイン性についてもとても優れています。特に北欧は白夜などもあり、日照時間が短いので家の中での暗い時間帯を楽しむ努力を惜しまないのだとか。そういったインテリアとの向き合い方は日本、特に東北の暮らしにもぜひ取り入れたいですね。

Q

おすすめの照明または
照明器具はありますか?

一つの照明で空間を演出するのではなく、幾つかの照明を組み合わせると楽しめると思います。例えばメインとなる大き目のペンダントライトやシャンデリアとスポットライトを併用することで、メインの照明の光が多少弱くても明るさを補うことは可能です。どこか目につきやすい場所にお気に入りのデザインの照明をつけると気分が上がるので、それを基準に周囲の照明を構成してもいいかもしれません。照明選びはあまり考え過ぎず「自分が好きなもの」を基準に選んでいくのがポイントです。好きなものの組み合わせは自然とマッチングしますので全体としてもバランスのいい空間になると思います。

また、ライティング用のレールは複数の照明を吊り下げられるのでとても便利です。照明の他にもグリーンを吊り下げたり、用途も様々なので色々楽しめます!行燈(あんどん)に代表される和風照明も、和紙を通すなどして優しく落ち着いた雰囲気の光を放つのでお勧めです。レトロなデザインのものは洋風のお部屋にも似合うのでぜひ挑戦してみてください。

Q

照明選びの注意点は?

ステンドグラスなどガラス製の照明は「色」が強く出てしまう傾向がありますので、明るさを重要視する場合は色付きではなくクリアなものを選ぶといいと思います。

新築の際には窓の向きや大きさとのバランスも考慮しましょう。自然光があまり入らない場所で明るさが欲しい場合などは注意が必要です。また、スタンドライトなどを活用したい場合はコンセントの場所や数も重要です。将来的な変化も念頭に入れて出来るだけ多めに設置しておくとベストです。

住まいにとっての光は、家族団らんの象徴であり
家族のライフスタイルを映し出すものかもしれません。
帰宅時に家の灯りが見えてきて一日の緊張が
解きほぐされていく経験は少なくありません。

暮らしの重要なエッセンスとなる照明。
光が変わるだけで簡単に楽しい空間と時間を
生み出すことが出来ますので、ぜひ試してみてください。

取材協力:株式会社ジェイウッド インテリアコーディネーター部