
H様邸 ワンフロアという贅沢
無駄をそぎ落としたミニマムライフ
「コンパクトに暮らしたい」。そんな発想から平屋づくりをめざすことになったというH様。それまでの生活の中で蓄積されてきたモノや機能。年月とともに増え続け、収納や管理に時間を取られていく中で「今、手にしているものは本当に必要なのか?」と考えるようになっていきました。そんな最中、区画整理のため本宅を空けて一定期間を過ごす仮住まいを探す必要が生じてきました。「賃貸とはいえ、相応の費用はかかってしまう......。どうせなら将来に生かすこともできる2棟目の家を持った方がいいのでは?」と思い始めたH様。「子どもたちが巣立ったあと、夫婦2人だけで過ごす家に必要なものは?」そんな発想から始まった家づくり。日本の昔ながらの平屋住宅や海外の小さいけれども機能的な家を調べていくうちに、コンパクトな空間でミニマムに暮らす平屋ライフに行き着いたそうです。
完成した平屋のH様邸は、大屋根で煙突がある、まるで絵本に出てくるような外観デザインです。ワンフロアのLDKはキッチンや玄関との境もありません。大屋根の勾配を活かして8畳大のロフトを設け、そこを家族の寝室にしています。天井が高いので空間は広々。窮屈さは一切感じることなく、昼間はお孫さんたちの格好の遊び場になっているそうです。
いわば効率的な暮らしが出来る点が平屋の強み。必要なものにすぐ手が届く距離感。冷暖房もすぐに室内を快適にしてくれます。収納場所も限られるので不用意にモノを増やさなくなり、モノを失くしたり探したりすることもなくなったそうです。「狭いので掃除や家事全般がラク!」と奥さま。家族と物理的な距離が縮まったことで会話も増え、リビングにはテレビも置かなくなったそうです。
そんな毎日が家族に心の余裕をもたらしてくれたようで、天気のいい日はウッドデッキでのんびり過ごしたり、息子のギターに挑戦してみようと思うようになったのも、この平屋で暮らすようになってからだといいます。「今後、本宅に戻らないかもと思えるくらい快適です」と奥さま。自分たちの暮らしに本当に必要なもの、大切なものだけを考えて作られた住まい。暮らしの無駄をそぎ落とした先には、ハコやモノでは満たすことのできない特別な「家族の時間」が待っていたようです。
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